交通事故被害者のために弁護士が慰謝料を増額

保険会社から「既往症があるので、賠償額の2割を差し引く」と言われましたが、どうすればよいですか?

交通事故で問題とされる既往症とは、簡単に説明すると、後遺障害の発生に影響を与えた(寄与した)被害者が事故前から有していた疾患を意味します。

例えば、脊髄が損傷を受けた場合の脊柱管狭窄症や後縦靭帯骨化症、脳に障害を負った場合の加齢による脳萎縮、認知症等があげられます。事故前の被害者の自覚症状を問いません。「首が長い」といった単純な体質的なものだけではなく、それが「疾患」に該当することが重要です。

「その後遺症の発生が、交通事故の外傷のみによっては発生しなかったのではないか」「被害者が元々有していた疾患が影響しているのではないか」と考えられる場合に、既往症(「素因」といわれることが多いです。)がその後遺症の発生に寄与したと考えられる部分を損害賠償額から差し引こうと言う考えを「素因減額」といいます。前記の例でいうと、「脊柱管狭窄等の症状が無い人よりも、脊髄にダメージを与えやすいのではないか」、「脳萎縮等の症状が無い人よりも、物忘れ等の症状が発生、進行しやすいのではないか」と考えられてしまうのです。

この素因減額の考え方そのものは、これまでの裁判実務でも認められています。

ところで、損賠賠償額が差し引かれる考え方として、他には「過失相殺」があげられます。その事故が、一方的に加害者の運転態様だけによって発生したのではなく、被害者の方にも原因があると考えられる場合に、被害者の原因の分だけ損害賠償額から差し引くというものです。

交通事故の発生に対して自分の運転にも2割くらい落度があると考えられるのであれば、保険会社から「賠償額の2割を差し引く」と言われても了承できるかもしれません。
しかし、既往症を理由に賠償額の2割を差し引くと言われても中々納得できないでしょう(既往症は、交通事故後に撮影する画像等によって初めて分かる例も少なくありません)。

では、保険会社からこのように言われた場合、保険会社の言い分に従わざるを得ないのでしょうか。

結論としては、必ずしも保険会社の言い分通りになるわけではありません。

最終的に「既往症(素因)があったかどうか」、有ったとして「既往症の影響がどの程度か」を判断するのは裁判所です。これは、高度に医学的な判断が求められる事項ですので、交渉の段階で保険会社が2割と考えても、その考えが裁判で認められるかどうかは全くの未知数です。

そこで、保険会社にこのように言われた場合は、まずは根拠を明確にしてもらいましょう。既往症の名称、それが自分の後遺症にどのように影響を与えているのか、なぜ2割なのかを明確にしてもらうことは不可欠です。そして、できれば、その保険会社側の根拠を主治医の先生にみてもらい、その考え方が医学的に正しいかどうかを主治医の先生に窺うべきです。仮に裁判になった場合には、医学的な意見書が重要になるので、主治医の先生には、いざとなった場合に意見書の作成をお願いできるだけの良好な関係を築いておくべきでしょう。

以上のように、保険会社側の根拠を明確にさせ、できればそれに対する主治医の先生のご意見を聞き、その上で弁護士に相談するのが良いと考えられます。
弁護士としては、保険会社側の根拠やこれに対する主治医の先生の意見を踏まえ、過去の既往症に関する裁判例を分析する等して、裁判で2割程度の減額が考えられるかを検討した上で、交渉や裁判にあたることになります。
なので、すぐに保険会社の2割に減額の提示に応ずることなく、まずは根拠を明確にさせ、医師や弁護士に相談しましょう。

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