交通事故被害者のために弁護士が慰謝料を増額

健康保険、労災保険、自賠責保険

健康保険と労災保険

交通事故が、業務災害または通勤災害である場合には、労災保険が適用になりますので、この手続をとることになります。この場合には、 健康保険は適用になりません。労災保険には、健康保険にあるような治療費における自己負担部分がないので、その点は有利といえます。 会社の最寄りの労働基準監督に相談し、第三者行為災害届や診断書等を提出して手続をしましょう。

交通事故が業務外において発生した場合には、健康保険を使用することができます。病院側は、健康保険を使用するよりも、 自由診療の方が売上が高くなるので、「交通事故の場合には健康保険は使えない。」と誤った説明をすることがありますが、 そんなことはありません。また、以前は、健康保険を使用すると、治療方法に制限があり、十分な治療は受けられないことがあったそうですが、 現在はそのようなことはないので、積極的に健康保険を使いましょう。その方が被害者の負担が少なくてすみます。なお、この場合も、 第三者の行為による傷病届等が必要となります。

なお労災保険や健康保険を利用して保険給付があった場合には、それぞれ被害者の加害者に対する損害賠償請求権を代位して、 保険給付額の範囲で加害者に請求することになります。

労災保険と自賠責保険

1. 労災保険の目的

労働者災害補償保険法第1条は、「労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、 死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、 又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、適正な労働条件の確保等を図り、 もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。」と定めています。

2. 労災保険給付の種類には次のようなものがあります。

(1) 療養補償給付
業務上の事由で、病気や怪我をした場合、労災指定病院等で必要な診療等を無料で受けられます。

(2) 休業補償給付
療養のため労働することができず、賃金が受けられないときに、休業4日目から支給されます。

(3) 障害補償給付
業務上の傷病が治った後、身体に障害が残ったときは、障害の程度に応じて障害補償年金か障害補償一時金が支給されます。

(4) 傷病補償年金
療養をはじめてから1年6ヶ月経過しても完治しない場合で、かつ障害の程度が傷病等級の1級から3級に該当する場合は、 休業補償給付にかえて、等級に応じた傷病補償年金が支給されます。

(5) 遺族補償給付

業務上の事由により死亡した場合は、遺族に遺族補償年金か遺族補償一時金が支給されます。

(6) 葬祭料
業務上の事由により死亡した被災労働者の葬祭を行う者に支給されます。

(7) 介護補償給付

業務上の事由による負傷又は疾病で障害補償年金又は傷病補償年金を受給している者が介護を必要とする場合に支給されます。

3. 通勤途中に交通事故に遭った場合

交通事故が、業務災害または通勤災害である場合には、労災保険が適用になりますので、この手続をとることになります。この場合には、 健康保険は適用になりません。労災保険には、健康保険にあるような治療費における自己負担部分がないので、その点は有利といえます。 会社の最寄りの労働基準監督に相談し、第三者行為災害届や診断書等を提出して手続をしましょう。

交通事故が業務外において発生した場合には、健康保険を使用することができます。病院側は、健康保険を使用するよりも、 自由診療の方が売上が高くなるので、「交通事故の場合には健康保険は使えない。」と誤った説明をすることがありますが、 そんなことはありません。

また、以前は、健康保険を使用すると、治療方法に制限があり、十分な治療は受けられないことがあったそうですが、 現在はそのようなことはないので、積極的に健康保険を使いましょう。
その方が被害者の負担が少なくてすみます。

なお、この場合も、 第三者の行為による傷病届等が必要となります。なお労災保険や健康保険を利用して保険給付があった場合には、 それぞれ被害者の加害者に対する損害賠償請求権を代位して、保険給付額の範囲で加害者に請求することになります。

4. 通勤途中に交通事故に遭った場合、労災保険と自賠責保険の関係はどうなるか。

交通事故のうち、業務災害または通勤災害により怪我をしたときは、自賠責保険の他、勤務先が加入している労災保険給付を受けられます。 どちらからでも給付を受けることができます。

労災保険給付が先行して行われた場合には、支給の限度において労災保険が損害賠償請求権を取得するので、 自賠責保険に先に請求する方が有利な場合が多く、両保険間でも自賠責保険先行の原則が取られています
よく考えてどちらに先に請求するか検討してください。

5. 労災保険と自賠責保険の調整

被災労働者から労災保険給付の請求があった場合、労働基準監督署長は、保険給付に先立ち、自賠責保険の保険会社 (自賠責共済の場合には都道府県共済連等)に対し、保険給付をしようとする金額、 年月日等を通知するととjもに被災労働者等が自賠責保険に請求を行っているかどうか、また請求が行われている場合には、損害賠償額や保険金、 仮渡金の支払の有無等を照会します。これに対し保険会社から自賠責保険に請求がない旨回答があった場合には労災保険給付を行います。 すでに自賠責保険から支払が行われていた場合、または被災労働者が自賠責保険先行を希望した場合には、自賠責保険支払が先行しますので、 その間、労災保険給付はストップします。
労災保険給付が先行した場合には、その金額の限度で労災保険が損害賠償請求権を取得し、自賠責保険に求償します。
被害者の自賠責保険に対する被害者請求と労災保険の求償が競合した場合には、その金額を按分比例して支払われることになります。

6. 自賠責保険の支払が先行した場合、労災保険給付額への影響。

被災労働者が、自賠責保険の損害賠償額を直接受領している場合には、 労災保険給付からすでに自賠責から支払われた金額を控除した差額を支払うことになります。

ただし、控除される額は、 同一項目からのみ控除されることになります。例えば、自賠責保険から626,000円が支払われており、その内訳が、治療費 25万円、 療養中の逸失利益25万円、慰謝料126,000円だったとします。労災保険では、慰謝料は支払われませんから、治療費が療養補償給付に、 療養中の逸失利益が休業補償給付にそれぞれ充当され、差額があれば、それが支払われることになります。

7. 示談をする場合、労災保険との関係で気をつけること。

被災労働者が加害者等と示談をした場合、その示談が真正に成立している場合で(無効事由等がない場合)、 かつ示談の内容が受給権者の第三者(加害者等)に対する損害賠償請求権の全部の填補を目的としている場合には、 示談成立後は労災保険給付が行われません。

したがって、「今後も労災給付があるからこの額でいいや。」と安易に示談をしてしまうと、 労災給付を受けられなくなる可能性があります。このような場合には、示談書に、 示談金額は労災保険給付を除く金額である旨明記しておく必要があります。

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