神経障害・労働能力喪失期間
2017年02月21日
労働能力喪失期間は原則として症状固定時から67歳までとされています。
しかしながら、頸椎捻挫や腰椎捻挫による神経障害の後遺障害において、67歳までの労働能力喪失期間を認める例は、極めてまれです。
神経障害における労働能力喪失期間について、多くの裁判例は、12級13号で5年から10年程度、14級9号で5年以下と限定的に認定を行っています。
これは、むち打ち症などの神経障害は、この程度の時が経過すれば治癒していくことが一般的であるという医学的判断に基づいています。
そのため、保険会社との交渉レベルでは、14級9号における労働能力喪失期間を2~3年として和解案が提示されることが一般的です。
しかし、交渉次第では、5年の労働能力喪失期間を認めるケースもありますので、諦めずに交渉を続けることも大切でしょう。
この場合、判例等を調べる余裕がある方は、なるべく長期の労働能力喪失期間を認定した判例を保険会社に示して交渉を行うと良いでしょう。
なお、労働能力喪失期間を一定期間に制限することは、一般的な実務的取り扱いであり、10年を超えて労働能力が喪失するという事実を立証することができれば、長期の労働労力喪失期間が認定されることもあります。