最高裁判例(過失相殺関係)

一部請求と過失相殺

不法行為に基づく一個の損害賠償請求権のうちの一部が訴訟上請求されている場合に、過失相殺をするにあたっては、損害の全額から過失割合による減額をし、その残額が請求額を超えないときは右残額を認容し、残額が請求額を超えるときは請求の全額を認容することができるものと解すべきである。(最判昭48・4・5民集27-3-419)

弁護士費用と過失相殺

不法行為の被害者の請求する慰謝料および損害賠償を請求するために提起した訴訟追行のための弁護士費用は、過失相殺の対象から除外される。(最判昭52・10・20判時871-29)

労災保険給付と過失相殺

第三者行為災害において被災労働者に過失がある場合、損害賠償額を過失相殺した後に、労災保険による給付額を控除する。(最判平1・4・11労判546-16)高田建設従業員事件

共同不法行為と過失相殺

一つの交通事故について加害者甲および加害者乙が連帯して被害者に対して損害賠償責任を負う場合において、加害者乙の損害賠償責任についてのみ過失相殺がされて両者の賠償すべき額が異なるときは、加害者甲がした填補の額は被害者の本来の損害額から控除すべきであって、控除後の残損害額が加害者乙の賠償すべき損害額を下回らない限り、加害者乙の賠償すべき額に影響しない。(最判平11・1・29判時1675-85)

交通事故と医療事故とがいずれも死亡という不可分の結果を招来し、この結果について相当因果関係を有する関係にある場合には、右交通事故と医療事故とは本条所定の共同不法行為にあたるから、各不法行為者は損害の全額について連帯責任を負うべきであり、複数の不法行為が順次競合した共同不法行為においても別異に解する理由はないから、各不法行為者の結果発生に対する寄与の割合をもって被害者の被った損害の額を案分し各不法行為者の責任を限定することは許されない。(最判平13・3・13民集55-2-328)

共同不法行為においても、過失相殺は、各不法行為の加害者と被害者の過失の割合に応じてすべきものであり、他の不法行為者との間における過失の割合を斟酌して過失相殺することは許されない。(最判平13・3・13民集55-2-328)

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