交通事故被害者のために弁護士が慰謝料を増額

死亡事故(交通事故)の慰謝料請求

相続人の確定

交通事故の被害者が死亡した場合、加害者らに損害賠償請求をすることができるのは、被害者の相続人です。

被害者の家族全員ができるわけではありません。したがって、死亡事故の場合には、まず、損害賠償請求権を持っている人は誰か、を確定する必要があります。

相続人の確定は、具体的には、被害者の戸籍を取り、そこから相続人確定作業を進めていきます。

相続人が幼児や未成年者の場合には、被害者の戸籍を取れば、相続人が親であることが確定し、それだけで相続人が確定できることになりますが、成人している場合には注意が必要です。

他に子がいる場合があるからです。したがって、相続人確定作業を行うには、被害者の出生児まで遡って調査することが必要となります。

では、ここで被害者が死亡した場合の相続人が誰か、について説明します。


相続人の種類と順位

相続人には、配偶者(夫、妻)と親、兄弟姉妹、子などがいます。配偶者がいる場合には、常に相続人になり、他の相続人と共に損害賠償請求権を相続することになります。

配偶者以外の相続人の場合には、順番があります。


第一順位の相続人:子

まず相続人の中で第一位は、子です。

子がすでに死亡しており、子の子供(被害者の孫)がいれば、孫が第一順位で相続人になります。

そして、子や孫がいれば、被害者の配偶者は一緒に相続人になりますが、親や兄弟姉妹は相続人にはなりません。

第二順位の相続人:親

第二順位の相続人は、親です。子がいない場合には、親が相続人になり、兄弟姉妹は相続人になりません。ただし、被害者の配偶者は一緒に相続人になります。


第三順位の相続人:兄弟姉妹

第三順位は、兄弟姉妹です。子も親もいない場合には、兄弟姉妹が相続人になります。

兄弟姉妹がその時点で死亡している場合には、兄弟姉妹の子が同順位で相続人になります。

もちろん被害者の配偶者と一緒に相続人になります。

具体例

例えば、死亡事故の被害者に妻、子、母、兄がいる場合には、妻と子だけが相続し、母や兄は相続人になりません。

仮に死亡事故の被害者に子がいなければ、妻と親だけが相続人になり、兄は相続人になりません。

死亡事故の被害者に妻がいて、子、母、兄もいないときは、妻が一人で相続人になります。

妻、子、親がおらず兄だけがいるときは、兄だけが相続人になります。


相続分について

相続人が確定したとして、次に、相続人のそれぞれが、いくらずつを請求できるか、という問題があります。

死亡事故の被害者が生前に遺書を残しており、「私の遺産の全部は〇〇に相続させる。」等としていれば別ですが、そうでない場合には、遺産分割をしなければ、誰がいくらの損害賠償請求権を持っているのか確定しません。

法定相続分

遺産分割をする際の参考として、法律で決まっている法定相続分を説明しておきます。

まず、同順位の相続人の法定相続分は均等です。日本では複数の配偶者は認められていませんので、配偶者が複数いることは考えられません。

しかし、子が複数、親が2人、兄弟が複数という場合はあります。

この場合、長男、長女がいる場合には、長男と長女の法定相続分は均等となります。

●親の一人だけが同じ兄弟姉妹
ただし、兄弟姉妹については、父親と母親が同じである兄弟姉妹と、父親と母親の一方だけが同じ兄弟姉妹がいます。

この場合の相続分は、片親だけが同じ兄弟姉妹は、両親ともに同じ兄弟姉妹の2分の1が法定相続分になります。

たとえば、死亡事故の被害者に両親を同じくする兄と母親だけを同じくする弟がいて、損害賠償金が900万円だった場合、兄の法定相続分が600万円、弟の法定相続分は300万円になります。


●配偶者と他の相続人がいる場合
配偶者と他の相続人がいる場合の法定相続分は序列が決まっています。

配偶者と子がいる場合には、配偶者が2分の1、子が2分の1です。子が2人いる場合には、それぞれが4分の1ずつになり、子の合計が2分の1になります。

配偶者と親が相続人であるときは、配偶者が3分の2、親が3分の1になります。

配偶者と兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1です。


相続の確定と損害賠償請求

以上のようなことを前提にして相続を確定し、各自相続した金額に基づき、損害賠償請求をすることになります。

この点についてもめていたら、いつまで経っても損害賠償請求ができないことになるので、他に相続財産があって、全体の相続が確定しない場合は、とりあえず損害賠償請求権については法定相続分に従って遺産分割協議をし、各自の相続分に基づいて請求をするか、遺産分割未了のまま請求をすることになります。


なお、死亡事故の場合には、相続の対象となる損害賠償請求権の他に、近親者は、被害者の死亡により、深い精神的苦痛を被っており、これは、被害者の損害賠償請求権とは別に、その近親者特有の損害賠償請求権が発生します。

この点も忘れずに請求する必要があります。

ただし、裁判の場合には、事案に応じて近親者分も全て本人分として認められたり、本人分を減額する代わりに近親者分を認めたりして損害額の調整をしているようです。


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