死亡慰謝料3900万円(大阪地裁平成18年2月16日判決)

被害者  17歳男子
慰謝料額 本人分 3,000万円
     近親者分 900万円
大阪地裁 平成18年2月16日判決
交民集39巻1号205頁

(主   文)
 1 被告は、原告甲野太郎に対し、金4,100万0,820円及び内金330万円に対する平成15年1月23日から、内金3,302万8,958円に対する平成16年12月31日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 2 被告は、原告甲野春子に対し、金4,100万0,820円及び内金330万円に対する平成15年1月23日から、内金3,302万8,958円に対する平成16年12月31日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 3 被告は、原告甲野夏子に対し、金330万円及びこれに対する平成15年1月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 4 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
 5 訴訟費用は、これを5分し、うち3を被告の、その余を原告の負担とする。
 6 この判決は、第4項を除き、仮に執行することができる。

(事実及び理由)

第1 請求
 1 被告は、原告甲野太郎に対し、金7,019万2,217円及び 内金550万円に対する平成15年1月23日から、内金5,763万4,003円に対する平成16年12月31日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 2 被告は、原告甲野春子に対し、金7,019万2,217円及び内金550万円に対する平成15年1月23日から、内金5,763万4,003円に対する平成16年12月31日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
 3 被告は、原告甲野夏子に対し、金550万円及びこれに対する平成15年1月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 1 本件は、交差点の横断歩道上を青信号に従って横断走行中の自転車に、信号を無視した飲酒運転の普通貨物自動車が衝突するという交通事故につき、死亡した自転車の運転者(当時17歳)の遺族が普通貨物自動車の運転者に対し、民法709条に基づいて損害賠償請求を行う事案である。

 2 争いのない事実等
 (1) 本件事故の発生
   ア 日時 平成15年1月22日午後9時40分ころ
   イ 場所 大阪市住之江区西加賀屋4丁目7番26号先交差点
        (以下「本件交差点」という。)路上
   ウ 事故車両
     ① 普通貨物自動車(〔ナンバー略〕)(以下「加害車両」という。)
       運転者及び所有者 被告(昭和36年3月17日生、当時41歳)
     ② 自転車(以下「被害自転車」という。)
       運転者 甲野一郎(昭和60年5月20日生、当時17歳、以下「亡一郎」という。)
   エ 態様
 アルコールの影響により正常な運転が困難な状態で被告が運転する加害車両が、本件交差点を南から北に向かって時速50㌔㍍で走行し、本件交差点南側に設けられた横歩道上を対面青信号に従って西から東に向かい横断走行中の被害自転車に衝突し、亡一郎は被害自転車もろとも路上に転倒したもの

 (2) 亡一郎の死亡及び相続関係
 亡一郎は本件交通事故により脳挫傷を伴う右側頭部頭蓋骨骨折の傷害を負い、本件事故当日午後10時50分ころ、救急搬送された大阪府立病院において死亡した。
 亡一郎の相続人は、亡一郎の父である原告甲野太郎(昭和28年12月1日生、当時49歳、以下「原告太郎」という。)と母である原告甲野春子(昭和35年7月12日生、当時42歳、以下「原告春子」という。)のみであり、それぞれ2分の1ずつ、亡一郎の財産を相続した。原告甲野夏子(平成元年7月18日、当時13歳、以下「原告夏子」という。)は亡一郎の妹である。亡一郎は原告らと同居していた(甲19、88、弁論の全趣旨)。

 (3) 責任原因
 被告には、本件交通事故の発生についての過失があり、民法709条によりその損害を賠償する責任がある。

 (4) 既払い額(損害の填補)
 原告らは、加害車両の自動車損害賠償責任保険から、平成16年12月30日、保険金3,028万2,745円を受領した。

 3 争点
 本件の争点は、損害額である。

 4 損害額についての原告の主張
 (1) 亡一郎の被った損害の金額

   ア 治療費等 31万1,795円
 亡一郎の大阪府立病院分の治療費として26万1,795円、高橋診療所分の治療費として5万円、合計31万1,795円の損害が発生している。

   イ 葬儀関係費用 150万円
 亡一郎の死亡に伴う葬儀関係費用が損害として発生し、その金額は150万円を超えるところ、原告は150万円を本件交通事故と相当因果関係のある損害として請求
する。

   ウ 逸失利益 7,979万3,070円
 亡一郎は、死亡当時17歳の高校生であったことを前提に平均余命を考慮すると、将来、少なくとも49年間の就労が可能であったと見るべきであり、それに対応する中間利息控除の係数はライプニッツ係数17.304を用いるべきである。
 逸失利益を算出する前提としての基礎収入については、亡一郎が大学進学を希望しており、かつ、高校の教師から、当時の成績であれば私立大学推薦入学は間違いないと告げられていたことからして、平成15年度賃金センサス第1巻、第1表、産業計・企業規模計・男性労働者・大卒・全年齢平均賃金である年収658万7,500円を用いるべきである。
 生活費控除率については、将来一家の支柱となることから、30%とすべきである。
 以上を前提に亡一郎の逸失利益を計算すると、7,979万3,070円となる。
 6,587,500×(1-0.3)×17.304=79,793,070

   エ 高校卒業までのアルバイト収入の逸失利益 71万4,000円
 亡一郎は、本件事故当時、アルバイトによる収入を得ており、本件事故直前の1か月の収入は5万1,000円であった(甲97)。本件事故がなければ、本件事故の翌月である平成15年2月から高校卒業予定の平成16年3月までの14か月間、同様の収入を得ることができたはずであり、以下の計算のとおり、71万4,000円の逸失利益に係る損害が発生した。
 51,000×14=714,000

   オ 亡一郎の慰謝料 5,000万円
 本件交通事故により、幸せな家庭に育まれ、前途ある17歳であった亡一郎が死亡しており、ただでさえその肉体的・精神的苦痛は極めて甚大である。
 それに加えて本件においては、以下のような特段の事情がある。これらの事情に鑑みると、このような悪質な被告に命を奪われた亡一郎の無念は計り知れず、亡一郎の肉体的・精神的苦痛に対する慰謝料の金額は、少なくとも5,000万円と評価されるべきである。

  (ア) 無免許運転
 被告は昭和59年ころ免許取消処分を受けたにもかかわらず、その後免許を取得しないまま、平成13年2月ころ加害車両を購入し、毎日の通勤に使用しており、遵法意識の欠如は著しい。本件交通事故も無免許運転で発生したものである。

  (イ) 飲酒運転
 被告は飲酒運転が常態化しており、遵法意識の欠如は著しい。本件交通事故も、飲酒の影響で正常な運転ができない程の酩酊状態における運転で発生したものである。

  (ウ) 信号無視
 被告は、同乗者が「赤やで、ストップ、ストップ。」と制したにもかかわらず、赤信号を無視して本件交差点に進入し、本件交通事故を発生させたものである。
 それに対して、亡一郎は青信号に従って横断歩道上を自転車で横断走行していたものであって何の落ち度もない。

  (エ) 事故直後の被告の行為
 被告は、衝突後、頭部から大量の血を流して倒れている亡一郎に対して、「危ないやないか。」などと怒鳴りつけ、衣服の一部を引っ張るように持ち上げて揺すり、投げ捨てるように元に戻した。

  (オ) 刑事裁判における被告の対応
 被告は、本件交通事故にかかる刑事訴訟手続において、上記事故直後の行為、赤信号で本件交差点に進入したこと、飲酒の影響を否認した。また、被告は、遺族に対して謝罪の意を表すことはなく、遺族の被害感情を逆撫でする態度をとった。

   カ 小計 1億3,231万8,865円
 以上の亡一郎の損害額を合計すると、1億3,231万8,865円となる。

   キ 弁護士費用 1,323万1,887円
 上記小計金額の1割に相当する1,323万1,887円は、弁護士費用として相当因果関係のある損害である。

   ク 損害填補前の損害合計金額 1億4,555万0,752円
 ここまでの損害の合計金額は、1億4,555万0,752円である。
   ケ 損害填補後の残額 1億1,526万8,007円
 争いのない事実等記載のとおり、加害車両の自動車損害賠償責任保険から支払われた保険金は3,028万2,745円であり、これを上記損害合計金額から控除すると、亡一郎が本件交通事故によって被った損害にかかる被告に対する損害賠償請求権の金額の合計は、1億1,526万8,007円となる。
 145,550,752-30,282,745=115,268,007

 (2) 原告太郎及び原告春子が相続により取得した損害賠償請求権及び固有の損
害の金額

   ア 相続による取得分 各5,763万4,003円
 原告太郎及び原告春子は、亡一郎が有していた被告に対する損害賠償請求権(1億1,526万8,007円)の2分の1である5,763万4,003円を、それぞれ相続により取得した。
 115,268,007÷2=57,634,003(端数切捨)

   イ 原告太郎及び原告春子の固有の慰謝料 各500万円
 原告太郎及び原告春子が、亡一郎の突然の事故死により受けた精神的苦痛は前記事情を前提とすると甚大であり、少なくとも各500万円と評価されるべきである。

   ウ 弁護士費用 各50万円
 原告太郎及び原告春子の固有の損害額は上記のとおり各500万円であり、その1割に相当する各50万円は、原告太郎及び原告春子の関係で、弁護士費用として相当
因果関係のある損害である。
   エ 確定遅延損害金 各705万8,214円
 争いのない事実等記載のとおり、加害車両の自動車損害賠償責任保険から3,028万2,745円の保険金が支払われたが、それが支払われたのは平成16年12月30日であり、その支払による損害の填補が行われる日まで原告太郎及び原告春子がそれぞれ亡一郎から相続により取得した損害賠償請求権の金額は、前記損害填補前の損害合計金額1億4,555万0,752円の2分の1である7,277万5,376円である。事故日の翌日である平成15年1月23日からこの支払日までの708日間はこの金額を元本とした民法所定の年5分の遅延損害金が発生しており、その金額を計算すると705万8,214円となる。
 145,550,752÷2=72,775,376
 72,775,376×0.05÷365×708=7,058,214(端数切捨)

   オ 合計 各7,019万2,217円
 以上のとおり、原告太郎及び原告春子がそれぞれ被告に対して有する損害賠償請求権の金額の合計は各7,019万2,217円である。

   カ 付帯請求について 亡一郎からの相続による取得分については、自動車損害賠償責任保険の支払日の翌日である平成16年12月31日以降は、損害填補後の残額の2分の1である5,763万4,003円に対する民法所定の年5分の割合による遅延損害金が発生しており、また、固有の損害である慰謝料及び弁護士費用の合計550万円については事故日の翌日である平成15年1月23日から民法所定の年5分の割合による遅延損害金が発生している。

 (3) 原告夏子固有の損害の金額

   ア 原告夏子固有の慰謝料 500万円
 原告夏子が、亡一郎の突然の事故死により受けた精神的苦痛は前記事情を前提とすると甚大であり、少なくとも500万円と評価されるべきである。

   イ 弁護士費用 50万円
 原告夏子の固有の損害額は上記のとおり500万円であり、その1割に相当する50万円は、原告夏子の関係で、弁護士費用として相当因果関係のある損害である。

   ウ 合計 550万円
 以上のとおり、原告夏子が被告に対して有する損害賠償請求権の金額の合計は550万円である。
   エ 付帯請求について
 原告夏子固有の損害である慰謝料及び弁護士費用の合計550万円については事故日の翌日である平成15年1月23日から民法所定の年5分の割合による遅延損害金が発生している。

 5 損害額についての被告の主張

 (1) 治療費について
 原告らの自動車損害賠償責任保険に対する請求関係書類によると治療費の金額は、大阪府立病院分の治療費として27万0,195円、高橋診療所分のとして1万円、合計28万0,195円とされている。

 (2) 葬儀費用について
 葬儀費用については、実際に支出した金額に基づいて算出すべきである。

 (3) 逸失利益について
 少なくとも49年間の就労が可能であったと見ること及びそれに対応する中間利息控除の係数はライプニッツ係数17.304を用いることは認める。
 亡一郎は、本件事故による死亡時に高校生であり、平成15年賃金センサス第1巻、第1表、産業計・企業規模計・男性労働者の平均賃金のうち、大卒・全年齢平均賃金を得る蓋然性は認められず、学歴計・全年齢平均賃金を用いて算出すべきである。
 また、将来一家の支柱になる蓋然性も認められず、生活費控除率は50%とするべきである。

 (4) 慰謝料の金額について
 原告ら主張の慰謝料の金額は何れも高額にすぎる。

第3 争点に対する判断
 1 損害額について
 (1) 亡一郎の被った損害の金額
 亡一郎が本件事故によって被った損害は以下のとおりであると認められる。

   ア 治療費等 32万0,195円
  (ア) 大阪府立急性期・総合医療センター 27万0,195円
 証拠(甲98、乙1の2)により認められる。なお、上記金額には、診断書料等8,400円(甲101)も含まれている。
  (イ) 高橋診療所 5万円
 証拠(甲92)により認められる。
  (ウ) 合計 32万0,195円

   イ 葬儀関係費用 150万円
 証拠(甲93~96)によれば、亡一郎の死亡に伴い150万円を超える葬儀関係費用が損害として発生したことが認められる。

   ウ 逸失利益 5,504万6,467円
 亡一郎は、死亡当時17歳の高校2年生であった。
 証拠(甲89、90、104、証人椿野昭生)によれば、亡一郎は大学進学の可能性が非常に高かったことが認められ、逸失利益の損害の算出においては、平成15年度賃金センサス第1巻、第1表、産業計・企業規模計・男性労働者・大卒・全年齢平均賃金である年収658万7,500円を用い、就労可能年数については、大学卒業後の22歳から就労することを前提として計算するのが相当である。
 また、生活費控除率については、将来一家の支柱となる可能性が認められるので、40%とするのが相当である。
 以上を前提に亡一郎の逸失利益を計算すると以下のとおりとなる。
  (ア) 基礎収入金額 658万7,500円
  (イ) 生活費控除率 40%
  (ウ) 17歳から67歳までの年数 50年
  (エ) 50年対応ライプニッツ係数 18.256
  (オ) 17歳から22歳までの年数 5年
  (カ) 5年対応ライプニッツ係数 4.329
  (キ) 使用するライプニッツ係数 13.927
 18.256-4.329=13.927
  (ク) 計算式
 6,587,500×(1-0.4)×13.927=55,046,467(端数切
捨)

   エ 高校卒業までのアルバイト収入の逸失利益 71万4,000円
 証拠(甲97)によれば、亡一郎は、本件事故当時、アルバイトによる収入を得ており、本件事故直前の1か月の収入は5万1,000円であったことが認められる。
本件事故がなければ、本件事故の翌月である平成15年2月から高校卒業予定の平成16年3月までの14か月間、同様の収入を得ることができたはずであり、以下の計算のとおり、71万4,000円の逸失利益に係る損害が発生したと認められる。
 51,000×14=714,000
   オ 亡一郎の慰謝料 3,000万円
 本件交通事故により、前途ある17歳であった亡一郎が死亡しており、その肉体的・精神的苦痛は極めて甚大である。
 証拠(甲1~87)によれば、以下の事実が認められ、これらの事情に鑑みると、亡一郎の肉体的・精神的苦痛に対する慰謝料の金額は、3,000万円とするのが相当である。

  (ア) 無免許運転
 被告は昭和59年ころ免許取消処分を受けたにもかかわらず、その後免許を取得しないまま、平成13年2月ころ加害車両を購入し、毎日の通勤に使用しており、遵法意識の欠如は著しい。本件交通事故も無免許運転で発生したものである。

  (イ) 飲酒運転
 被告は飲酒運転が常態化しており、遵法意識の欠如は著しい。本件交通事故も、飲酒の影響で正常な運転ができない程の酩酊状態における運転で発生したものである。

  (ウ) 信号無視
 被告は、同乗者が「赤やで、ストップ、ストップ。」と制したにもかかわらず、赤信号を無視して本件交差点に進入し、本件交通事故を発生させたものである。
 それに対して、亡一郎は青信号に従って横断歩道上を自転車で横断走行していたものであって何の落ち度もない。
 
 (エ) 事故直後の被告の行為
 被告は、衝突後、頭部から大量の血を流して倒れている亡一郎に対して、「危ないやないか。」などと怒鳴りつけ、衣服の一部を引っ張るように持ち上げて揺すり、投げ捨てるように元に戻した。

   カ 小計 8,758万0,662円
 以上の亡一郎の損害額を合計すると、8,758万0,662円となる。
   キ 弁護士費用 876万円
 上記小計金額の1割に相当する876万円は、弁護士費用として相当因果関係のある損害である。
   ク 損害填補前の損害合計金額 9,634万0,662円
 ここまでの損害の合計金額は、9,634万0,662円である。
   ケ 損害填補後の残額 6,605万7,917円
 争いのない事実等記載のとおり、加害車両の自動車損害賠償責任保険から支払われた保険金は3,028万2,745円であり、これを上記損害合計金額から控除すると、亡一郎が本件交通事故によって被った損害にかかる被告に対する損害賠償請求権の金額の合計は、6,605万7,917円となる。
 96,340,662-30,282,745=66,057,917

 (2) 原告太郎及び原告春子が相続により取得した損害賠償請求権及び固有の損害の金額

   ア 相続による取得分 各3,302万8,958円
 原告太郎及び原告春子は、亡一郎が有していた被告に対する損害賠償請求権(6,605万7,917円)の2分の1である3,302万8,958円を、それぞれ相続により取得した。
 66,057,917÷2=33,028,958(端数切捨)

   イ 原告太郎及び原告春子の固有の慰謝料 各300万円
 原告太郎及び原告春子が、亡一郎の突然の事故死により受けた精神的苦痛は前記事情を前提とすると、各300万円とするのが相当である。

   ウ 弁護士費用 各30万円
 原告太郎及び原告春子の固有の損害額は上記のとおり各300万円であり、その1割に相当する各30万円は、原告太郎及び原告春子の関係で、弁護士費用として相当因果関係のある損害である。

   エ 確定遅延損害金 各467万1,862円
 争いのない事実等記載のとおり、加害車両の自動車損害賠償責任保険から3,028万2,745円の保険金が支払われたが、それが支払われたのは平成16年12月30日であり、その支払による損害の填補が行われる日まで原告太郎及び原告春子がそれぞれ亡一郎から相続により取得した損害賠償請求権の金額は、前記損害填補前の損害合計金額9,634万0,662円の2分の1である4,817万0,331円である。事故日の翌日である平成15年1月23日からこの支払日までの708日間はこの金額を元本とした民法所定の年5分の遅延損害金が発生しており、その金額を計算すると467万1,862円となる。
 96,340,662÷2=48,170,331
 48,170,331×0.05÷365×708=4,671,862(端数切捨)

   オ 合計 各4,100万0,820円
 以上のとおり、原告太郎及び原告春子がそれぞれ被告に対して有する損害賠償請求権の金額の合計は各4,100万0,820円である。

   カ 付帯請求について
 亡一郎からの相続による取得分については、自動車損害賠償責任保険の支払日の翌日である平成16年12月31日以降は、損害填補後の残額の2分の1である3,302万8,958円に対する民法所定の年5分の割合による遅延損害金が発生しており、また、固有の損害である慰謝料及び弁護士費用の合計330万円については事故日の翌日である平成15年1月23日から民法所定の年5分の割合による遅延損害金が発生している。

 (3) 原告夏子固有の損害の金額

   ア 原告夏子固有の慰謝料 300万円
 原告夏子が、兄である亡一郎の突然の事故死により受けた精神的苦痛は前記事情を前提とすると300万円とするのが相当である。

   イ 弁護士費用 30万円
 原告夏子の固有の損害額は上記のとおり300万円であり、その1割に相当する30万円は、原告夏子の関係で、弁護士費用として相当因果関係のある損害である。

   ウ 合計 330万円
 以上のとおり、原告夏子が被告に対して有する損害賠償請求権の金額の合計は330万円である。

   エ 付帯請求について
 原告夏子固有の損害である慰謝料及び弁護士費用の合計330万円については事故日の翌日である平成15年1月23日から民法所定の年5分の割合による遅延損害金が発生している。

 2 結論
 以上によれば、原告らの被告に対する請求は、不法行為に基づく損害賠償請求として前記の限度で理由があるから認容し、その余は理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。

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