交通事故被害者のために弁護士が慰謝料を増額

自動車による死亡事故の示談交渉でご遺族が注意すべき4つのポイント

この記事では、以下の内容について解説しています。



示談交渉の流れについて
損害賠償請求ができるのはだれか
死亡事故の場合に請求できる損害賠償の項目
死亡事故の場合に争いとなりやすい点



自動車事故によって大切な家族を亡くされた遺族の方には謹んでお悔やみ申し上げます。

大切な人を亡くしてしまい、怒りや悲しみからどうしていいのかわからないという遺族の方も多いでしょう。

けれど、交通事故の場合は、否応なく加害者との間に損害賠償の問題が発生し、死亡事故の場合は残された遺族の方がこれを解決していかなければなりません。

亡くなられた故人のためにも、正しい損害賠償金を獲得し、遺族の方がこれからもできるだけ前向きに人生を送っていけるようにしたいものです。

しかし、残念ながら、死亡事故の損害賠償の実態としては、本来もらえる損害賠償金額よりかなり低い金額で示談をしてしまう遺族の方も少なくないようです。

後で詳しく説明しますが、通常示談の交渉は、加害者が加入している保険会社の担当者と行うことになり、保険会社側で作成した損害賠償金額の見積書を遺族が検討するという形になるのですが、その保険会社の提示してきた金額は本来支払われるべき金額よりも低いことが多いからです。

でも、遺族の方はその提示額が低いという判断ができないことが普通ではないでしょうか?
損害賠償に関する知識がないからです

交通事故に詳しい弁護士等の専門家に相談することが一番の近道にはなるのですが、弁護士に相談するとしても、基礎的な知識を知っていた方が話は早く、なにより遺族の方ができるだけ後悔しないような解決への手助けになると思いますので、以下基礎的な4つのポイントについてご説明します。

(1)示談交渉の流れについて

示談とは

死亡事故の場合は、まずは被害者の通夜や葬儀が行われます。
その後、四十九日が過ぎたあたりで、加害者側から示談の話があることが多いです。

通常加害者本人と交渉することはなく、加害者が加入している保険会社の担当者から遺族に連絡がきます。

ここで、示談というのは、交通事故によって被った損害がいくらになるのか、支払いはどのようにするのか等の事項を、当事者の話し合いによって、お互いに譲歩しながら決めて解決することです。

保険会社の担当者から、保険会社側で算定をした損害賠償額の見積書等を提示して、遺族の方はその提示された金額を検討し、納得できたら、示談書(「免責証書」という書面の場合もあります)に署名捺印し、示談金が支払われて終了することになります。

もし話し合いで解決できなかった場合には裁判をおこすことになり、判決を出してもらって解決する場合と、裁判の途中で裁判上の和解をして解決する場合があります。

示談する際の注意点

ここで注意しなければならないことは、絶対に簡単に示談してはいけないということです。

示談が成立すると、交通事故の損害賠償の問題が最終的に解決したということになりますので、示談の後に追加で損害賠償を請求することは原則としてできません。

保険会社が提示してきた見積書だから、まあ正しい金額なのだろうと思って、あまり検討しないで安易に示談してしまうと、損をしまう可能性があります。

冒頭でも述べましたが、保険会社が提示してくる金額は、裁判をした場合に認められうる金額の基準である裁判基準よりも低い金額であることが多いからです。

お金を支払わなければならない保険会社側としては、なるべく支払う保険金額を低く抑えた方が会社の利益になりますので仕方のないことなのかもしれませんが、保険会社の多くは営利企業であり、被害者側の味方ではないということを覚えておかなければなりません。

また、死亡事故の場合、加害者は過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪などの罪で逮捕、起訴され、刑事罰を受ける場合もありますが、その量刑の判断の際に、先に示談が成立していると、被害者に対する弁償が済んでいると考慮されて、加害者の量刑が軽くなる可能性もあります。

遺族としては、加害者にきちんと罪を償ってほしいと感じることは当然だと思いますので、そうであれば、加害者の刑事裁判が終わった後で示談交渉に入るということでも問題ありません。

損害賠償請求権の時効

上述したように、示談は慎重に行う必要がありますので急いで行う必要はないのですが、時効にだけは注意が必要です。

時効期間を経過してしまうと、加害者に対する損害賠償請求権が消滅し、一切請求できなくなってしまうからです。

加害者に対する損害賠償の時効は、死亡事故の場合は死亡によって損害が確定したことになりますので、事故時(死亡時)から3年です。

ひき逃げなどすぐに加害者がわからないときは、加害者がわかった時から3年です。
加害者がわからないまま事故から20年経過すると、損害賠償請求権は時効により消滅します。

(2)損害賠償請求ができるのはだれか

被害者が死亡してしまった場合、加害者への損害賠償請求ができるのは、被害者の相続人です。

誰が相続人になるかについては、民法で詳しく決められています。

相続人

まず、配偶者(夫または妻)は常に相続人となります。
配偶者以外の優先順位は、以下のようになっています。

第一順位 子供

子供がいる場合は、子供が相続人となります。

配偶者は常に相続人となりますから、配偶者と子供が相続人となるということです。

この場合は、被害者に両親や兄弟姉妹がいたとしても、両親や兄弟姉妹は相続人にはなりません。

子供が先に亡くなっていて、孫がいる場合は、孫が代襲相続をするため、配偶者と孫が相続人となります。
第二順位 父母

被害者に子供がいない場合、被害者の両親が相続人となります。

配偶者がいる場合は、配偶者は常に相続人となりますから、配偶者と被害者の両親が相続人となるということです。
第三順位 兄弟姉妹

被害者に子供や両親がいない場合、被害者の兄弟姉妹が相続人となります。

配偶者がいる場合、配偶者は常に相続人となりますから、配偶者と被害者の兄弟姉妹が相続人となるということです。

相続分

相続人はいくら請求できるのかについては、被害者が生前に遺言を残していて、それが法律的に有効な遺言であればその遺言通りになりますが、特に遺言がない場合は、法律で定められている法定相続分に従います。

配偶者と子供が相続人の場合、相続分は2分の1ずつです。

子供が数人いる場合は、子供の相続分の2分の1をさらに子供の人数で均等に割った分が子供一人の相続分となります。

このように、同順位の相続人の相続分は均等になり、両親や兄弟姉妹が複数いる場合でも同じように考えます。

配偶者と両親が相続人の場合、相続分は配偶者が3分の2、両親が3分の1です。

配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合、相続分は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1です。

(3)死亡事故の場合に請求できる損害賠償の項目

交通事故の損害賠償というと、世間的には慰謝料をもらうというような言い方をすることも多いかと思いますが、損害賠償金は、慰謝料だけではなく、さまざまな損害賠償の項目の合計金額となっています。

死亡事故の請求できる損害賠償金の主な項目には、以下のものがあります。

①葬儀費用
②死亡逸失利益
③死亡慰謝料
④弁護士費用(裁判をおこした場合)


①葬儀費用

葬儀費用は、自賠責保険に請求した場合、定額で60万円です。
任意保険会社は、120万円以内くらいで提示してくることがほとんどです。

裁判を起こした場合、裁判基準だと原則として150万円で、それを下回る場合は実際に支出した額が認められます。

被害者の地位が高く、実際の支出した額が高額であるような場合は、その必要性が認められれば相場より高額な金額が認められる可能性もあります。

②死亡逸失利益

逸失利益とは、被害者が生きていれば労働などによって得られたはずのお金のことです。

死亡逸失利益は、以下の計算式で算定されます。

基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数


基礎収入は、働いている人は原則として事故前年の実際の年収を基礎とします。
幼児や学生の場合は賃金センサスの男女別全年齢平均賃金を基礎とします。
主婦の場合は、賃金センサスの女性労働者の全年齢平均賃金を基礎とします。

生きていれば生活費にお金がかかりますので、その生活費で使う分を差し引くことを生活費控除といいます。

生活費控除率は以下のようにだいたいの目安が決まっています。

被害者が一家の支柱で被扶養者が1人の場合   40%
被害者が一家の支柱で被扶養者2人以上の場合  30%
女性(主婦、独身、幼児等含む)の場合     30%
男性(独身、幼児等含む)の場合        50%

損害賠償の場合、将来にかけて得られたはずのお金をまとめて受け取ることになるため、本来の将来の収入時までの年5%の利息を複利で差し引く係数のことをライプニッツ係数といいます。

就労可能年数とは、働くことが可能であると考えられる年数のことです。

就労の終わる時期は、原則として67歳までとされています。
67歳を超える高齢者の場合は、簡易生命表の平均余命の2分の1とされています。

幼児や学生などの就労の始まりの時期については、原則として18歳とされていますが、大学卒業が具体的に決まっている場合やその可能性が高い場合などは、大学卒業予定時を就労の始まる時期とします。

③死亡慰謝料

死亡慰謝料は、裁判基準である程度の相場が定められています。

・一家の支柱             2800万円
・母親、配偶者            2500万円
・その他(独身の男女、子供、幼児等) 2000万円~2500万円

保険会社が提示してくる金額は裁判基準より低い場合がほとんどですので、上記の金額より低い場合は交渉することになります。

また、事故態様が、ひき逃げや、飲酒運転、無免許、信号無視など悪質であったような場合は、相場より高い金額が請求できる場合もあります。

④弁護士費用

裁判を起こす場合は弁護士に依頼すると思いますが、裁判の場合は、裁判で認められた金額の10%程度が、弁護士費用として認められることになります。

たとえば、裁判で認められた損害賠償額が3000万円だった場合、弁護士費用分として10%の300万円が追加され、加害者が支払いを命じられる金額は3300万円となります。

(4)死亡事故の場合に争いとなりやすい点

死亡事故の場合に特に争いとなりやすい点として、過失相殺の問題と死亡逸失利益の問題があります。

①過失相殺の問題

過失相殺とは、被害者側にも過失があった場合に、被害者の過失を考慮して、その過失の割合を損害賠償額から減額することです。

自動車事故の場合、加害者のセンターラインオーバーや、被害者が停車中に後方から追突されたなど、被害者がどうしようもなかった場合を除いて、ほとんどの場合で被害者にもいくらかの過失が認められるのですが、その割合がどのくらいなのかが問題になります。

死亡事故の場合、被害者が死亡してしまっていますので、被害者の言い分を聞くことができず、主に加害者の言い分によって警察も実況見分調書を作成することになりますが、加害者が本当に事実を述べているか判断が難しいときもあるでしょう。

損害賠償金額が高額になればなるほど、過失割合に応じて減額される金額も大きくなりますので、たとえば被害者の過失が10%変わるだけで、損害賠償金額から減額される額が何百万や何千万も違ってくることもあるのです。

遺族側が主張する過失割合と加害者側が主張する過失割合が異なる場合は、遺族側としては事故態様を再検討したり、目撃者を探して話を聞いたり、同じような事故態様の裁判例を探して参考にしたりして証拠を集めるなど、大変な努力が必要なこともあります。

②死亡逸失利益の問題

逸失利益は、被害者が生きていれば労働などによって得られたはずのお金のことですが、将来における収入という不確定な事項に関することなので、問題となることが多いです。

基礎とする収入について、原則として事故前年の収入を基礎とするとしましたが、たとえば、もうすぐ昇給の予定があったとか、もっと給料のいい会社に転職する予定であったとか、個人事業主で事故前年はたまたま業績が悪かったがその後は業績が回復する可能性があったとか、事故当時は無職だったけれど就職活動をしていて就職できる可能性があったなど、被害者それぞれに様々な事情があることが考えられます。

それぞれの事情を認めてもらうためには証拠が必要となります。

昇給の予定があったのなら、昇給基準が会社の規約や就業規則で明確に定められていることを証明したり、個人事業主であれば確定申告や帳簿や事業計画などで証明したり、就職活動中であればハローワークなどでの活動の履歴を調べたり、本人の経歴や能力などで就職できる可能性があることを証明したりすることになります。


以上、自動車の死亡事故でご遺族が注意すべき4つの基礎的なポイントについてご説明しました。

死亡事故の損害賠償については、さまざまな知識が必要であるということがお分かりになったのではないでしょうか。

ご自身で知識を取得するのにも限界があると思いますので、示談の前には必ず一度は交通事故に詳しい弁護士などの専門家に相談してみるといいでしょう。

死亡事故における示談金は、故人の「命の値段」といっても過言ではありません。

妥協してしまうことは、故人の命の値段を低く付けてしまった、ということです。

ご自身だけでなく故人のためにもできるだけ後悔の少ない解決ができるようにしていただければと思います。



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