交通事故被害者のために弁護士が慰謝料を増額

その他|高額の将来介護費用を認定した判例

交通事故の裁判で、重度の後遺障害を負った事案において、高額の将来介護費用を認定した判例をご紹介します。


1 金額    日額3万円
  判例    名古屋高裁 平成19年2月16日判決(確定)
  出典    自動車保険ジャーナル・第1688号
  後遺障害 高次脳機能障害、排泄機能障害(自賠責1級3号)

被害者は、12歳男子で157㌢㍍、55㌔㌘であるのに対し、被害者の介護に当たる母親は小柄な体型、夜勤で生計を維持しているが健康上も問題があり、ヘルパーも2人1組でXに対応していることから、被害者が養護学校卒業まで日額1万5,000円、母67歳まで同2万円、以降被害者の余命分同3万円で介護料を認定した。


2 金額    日額2万9000円
  判例    大阪地裁 平成19年4月10日判決(控訴)
  出典    自動車保険ジャーナル・第1688号
  後遺障害 頸髄損傷、呼吸筋麻痺等(自賠責1級1号)


被害者は、23歳男子である、体重が90㌔㌘、痙性で手足が硬直することもある等と週5~6時間依頼している職業介護人の介護を受けていても、妻は介護で「自分の時間がなく」、妻60歳までは「妻と職業介護人1.5名による介護が最低限必要である」とし、介護費は1日妻8,000円、職業人2万1,000円の2万9,000円で、以降「職業介護人2名による」2万8,000円で余命年数分認定した。


3 金額    日額2万9392円
  判例    福岡地裁 平成17年7月12日判決(控訴)
  出典    自動車保険ジャーナル・第1612号
  後遺障害 高次脳機能障害等(自賠責1級3号)


69歳女子の介護料につき、被害者の精神障害は、独歩困難なほか、長男のこともわからず、便器の水で手を洗う、突然怒る、泣く等易怒性感情の起伏が激しく、常時看視介護が必要と認め、自営業者の長男の稼働状態から、平日の5時間半はデイサービス、長男が自営業勤務に出る間の6時間半は職業人で現行介護サービス料金により2万5,392円、夜間等12時間長男の介護料4,0 00円で合計日額2万9,392円とデイサービス実費で認定した。


4 金額    日額2万7000円
  判例    千葉地裁佐倉支部 平成18年9月27日判決(控訴和解)
  出典    自動車保険ジャーナル・第1682号
  後遺障害 遷延性意識障害(自賠責1級3号)


37歳男子、気管切開・胃ろうからの栄養補給を要する重篤な状態であるが、家族が自宅介護を希望しており、家屋改造等の環境整備で「可能な限り、これを尊重すべきである」と、同一県内で長期入院受入病院のない原告には自宅介護で損害額を認定するとした。そして、近親者介護の主体の母67歳までは日額1万円、以降妹が主体となるが、「妹が就労して収入を得る道を奪われるべき理由はない」から、職業介護人の介護となるが、損害の公平な分担から24時間職業人介護とすることは相当でなく、日額職業人24時間介護費の「約7割に相当する2万7,000円」で介護費を認定した。


5 金額    日額2万6,666円
  判例    広島地裁福山支部 平成16年5月26日判決(控訴)
  出典    自動車保険ジャーナル・第1550号
  後遺障害 遷延性意識障害(自賠責1級3号)


38歳男子支柱会社員の介護料につき、24時間常時、食事の経口摂取から褥瘡を防止するための体位変換まで、日常生活全般にわたって全面的な介護を必要とする状態にあり、さらに、生存のためには筋肉の拘縮予防のリハビリが欠かせないなど適切な全身管理を要求されるとして、妻67歳まで日額1万円と職業介護人費月20万円の年600万円で、以降余命期間日額2万6,666円、年約973万円で認定した。


6 金額    日額2万4000円
  判例    大阪地裁 平成19年7月26日判決(確定)
  出典    自動車保険ジャーナル・第1721号
  後遺障害 遷延性意識障害(自賠責1級3号)


7歳男子の介護料につき、日常生活動作の全般にわたって全介助を要する状態にあることは明らかであり、それのみでも介護の負担は相当重いといえるが、加えて、同原告に強い四肢緊張等がみられることや、同原告の体格(身長約130㌢㍍、体重約40㌔㌘。当然、今後も相応の生育の可能性があるものと推認される。)に照らし、成人1名で移動介助や入浴介助等に当たることは不可能であるといって良く、四肢拘縮を予防するためのリハビリについても、相応に重労働であるといえ、さらに、同原告が寝た切りの状態にあり、自動運動が全く不能であることから、常に褥創形成の危険にさらされており、夜間も定期的に体位交換やおむつ交換を行う必要がある上、ときにてんかん様の発作を来し、救命救急措置を講ずる必要性すら生じかねないことから、昼夜を問わず常時監視する必要がある。

以上のとおり、同原告の介護に伴う周囲の負担は、物理面でも精神面でも、相当大きいというべきであって、同原告が未だ幼少であって、症状固定時において平均余命70年を残すことから、この間、相応の介護態勢を整えておく必要がある。

近親者の稼働状況を前提とすると、介護に従事できるのが祖母のみとなり、祖母67歳までは祖母と職業人による日額1万6,000円、以降余命年数分職業人2名分の日額2万4,000円により認定した。


7 金額    日額2万4000円
  判例    東京地裁 平成15年8月28日判決(控訴)
  出典    自動車保険ジャーナル・第1525号
  後遺障害 高次脳機能障害等(自賠責1級3号)


21歳女子会社員が1級3号を残した事案につき、高次脳機能障害で危険を認知できない等原告には「介助までは要しないが、常時の監視ないしは促しは必要であるから、介護の態様の問題を別とすれば、随時介護では足りないというべきであり、常時介護が必要である」とした。
病院通いする両親であるが、免許取得、自動車購入等している実状等から、母親67歳までは近親者主体の介護を認め、1日13時間のうち2時間は職業介護人費3,962円と近親者分8,000円の日額1万1,692円で認めた。
それ以降余命分は13時間の職業介護人費日額4万円の6割である2万4,000円で認定した。

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