交通事故被害者のために弁護士が慰謝料を増額

高次脳機能障害で高額の介護費用が認定された裁判例

高次脳機能障害の被害者に介護が必要となる後遺障害が残った場合には、将来にわたって支出の蓋然性が認められる介護費用が損害として認められます。

具体的には、以下の計算式で算定がされます。


日額×365日×介護の期間の年数(症状固定時から余命に相当する年数)に対応する中間利息の控除に関するライプニッツ係数

 
高次脳機能障害により、日常生活全般において常時介護を必要とする場合には、赤い本では「医師の指示または症状の程度により必要があれば被害者の本人の損害として認める。

職業付添人は実費全額、近親者付添人は1日につき8000円。

但し、具体的看護の状況により増減することがある。」とされており、常時介護を必要としない場合であっても、日常生活における動作の一部についての身体介護や介護のとしての看視や声掛けを要する場合には、具体的な介護の内容や、介護のために必要な時間等に応じて、上記基準額から減額された介護費用が認定されています。

裁判例においても、親者介護費を1日につき8000円とする裁判例が多く、職業介護人については、1日あたり15000円程度を認める裁判例が増えてきています。

以下では、高次脳機能障害の後遺障害を残し、高額の介護費用が認定された事案を紹介します。

裁判例

①福岡地判平成17年7月12日(自保ジャーナル第1612号)

年齢
69歳(事故時)
性別
女子
傷害内容
急性硬膜下血腫、脳挫傷、開放性頭蓋骨骨折、両肺挫傷等
自賠責等級
高次脳機能障害1級1号
被害者側の状況
重篤な高次脳機能傷害のため、記銘力低下、歩行障害、幼児性が著明で易興奮性あり。

被害者は日曜を除く週6日、デイサービスを受けている。

近親者介護人(被害者の長男)は自営業者で、仕事をセーブして時間を捻出し、被害者の身体介助等を行っている。
介護内容
常時介護
認定された介護費用
平日・土曜日:日額合計2万9392円
(近親者日額4000円、デイサービス実費及び職業介護人日額2万5392円)

日曜日:近親者日額8000円



②大阪地判平成17年7月25日(自保ジャーナル第1611号)
年齢
19歳(事故時)
性別
女子
傷害内容
びまん性脳軸索損傷、脳腫脹、脳挫傷、下顎骨骨折、頭部挫創、気胸等
自賠責等級
高次脳機能障害2級3号と左同名半盲9級3号の併合1級
被害者側の状況
記銘力低下、学習障害、発動性低下、性格変化等の後遺障害

介助なく食事の摂取や排泄、入浴が可能。

転倒防止のために絶えず見守り必要。

感情の起伏が激しく自傷行為のおそれがある。

半側空間無視があるため慣れない場所に一人で放置しておくことはできない。

現在、介護は両親がほとんど行っている。

両親が被害者の介護のために仕事を退職するなどしていずれも相当な減収が生じている。

介護内容
常時の看視、声掛け
認定された介護費用
平均余命まで近親者及び職業介護人日額1万3000円



③名古屋高判平成19年2月16日(自保ジャーナル第1688号)
年齢
5歳(事故時)
性別
男子
傷害内容
脳挫傷、外傷性脳内血腫、左撓骨骨折、症候性てんかん、気管支喘息、遷延性意識障害、両肩拘縮、左視神経損傷、右視神経萎縮、両結膜炎、両足変形
自賠責等級
高次脳機能障害等1級3号
被害者側の状況
脳挫傷後遺症、てんかん、左片麻痺、麻痺性構音障害、左顔面神経麻痺、精神遅滞、左撓尺骨癒合につき変形癒合、両眼の視神経萎縮の後遺障害

高次脳機能障害により知能年齢(精神年齢)が3歳程度、自制力に乏しく自己の行動の危険性について十分な理解力はない、補助具や介助なしでの独歩はできない、食事動作は不十分ながら辛うじて自立、衣服の着脱、排泄には介助を要する。

12歳で身長157㎝、体重55㎏と体格が良いため身体介助には体力を要し、職業介護人は2人1組で介護に当たっている。

介護内容
常時の見守り及び身体介助
認定された介護費用
被害者18歳まで:日額合計1万5000円
(近親者日額5000円、職業介護人日額1万円)

介護人母67歳まで:日額合計2万円
(近親者日額5000円、職業介護人日額1万5000円)

介護人母67歳以降:職業介護人日額3万円



④札幌地判平成21年5月26日(自保ジャーナル第1817号)
年齢
18歳(事故時)
性別
女子
傷害内容
外傷性くも膜下出血、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、頭蓋骨骨折、右肺挫傷、肝損傷等
自賠責等級
高次脳機能障害別表第一1級1号
被害者側の状況
左片麻痺、右不全麻痺、嚥下障害、構音障害、高次脳機能障害(左半側空間無視、注意傷害、構成障害)

なお、原告の母が成年後見人に選任されており、入院中は病院に赴いて、退院後も自宅において毎日付き添っている
介護内容
常時介護
認定された介護費用
母が67歳になるまで近親者介護として日額1万円

その後は職業介護人による介護として日額1万8000円
原告の請求
母が67歳になるまで近親者介護として日額1万2000円

その後は職業介護人による介護として日額2万円



⑤長野地裁松本支部判決平成22年3月19日(自保ジャーナル第1830号)
年齢
69歳(事故時)
性別
男子
傷害内容
脳挫傷、外傷性くも膜下出血、硬膜下水腫、慢性硬膜下血腫、高度認知障害、恥骨骨折、臼蓋骨折および症候性てんかん等
自賠責等級
高次脳機能障害別表第一2級1号
被害者側の状況
重度の記憶障害、遂行機能障害、注意障害に加え、発動性の低下、易怒性・興奮性、対人機能の拙劣により、職業介護人と近親者による介護を併用している状態。

具体的には、

①起床と日中の活動を促すこと、
②食事を用意した上で見守りをして不要・不適切な食行動を制止すること、
③随時に便・尿漏れの有無を確認して上での対処、
④地類を準備し、服装を整序すること、
⑤入浴を促し、湯温を調整すること、
⑥服薬の管理、
⑦火気の取扱い、火気への接近を防ぐための監視、
⑧交通危険から身を守るための外出時の付添い、
⑨不適切な言動の制止を行い、対人関係を取り持つこと

など、原告の基本的な生活動作のほとんど全ての場面において、介護が常時必要である

介護内容
常時介護
認定された介護費用
職業介護人及び近親者によるものを併せて日額2万円



⑥東京地判平成22年10月27日(自保ジャーナル第1840号)

年齢
45歳(事故時)
性別
男子
傷害内容
脳挫傷
自賠責等級
高次脳機能障害別表第一1級1号
被害者側の状況
右片麻痺、右感覚障害、高次脳機能障害(脱抑制、記憶障害、失語、遂行機能障害、集中力低下、若年性認知症状体)、尿失禁

事故当時正社員として働いていた妻は、原告の介護のため退職を余儀なくされた

介護内容
常時介護(デイサービス、自宅での介護)
認定された介護費用
①妻が67歳になるまで
平日(年240日)日額1万6000円
公休日(年125日)日額9000円

②妻が67歳になった後
職業介護人介護日額2万円

原告の請求
①妻が67歳になるまで
平日(年240日)日額2万4000円
公休日(年125日)日額1万円

②妻が67歳になった後
職業介護人介護日額3万円

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