2005/09/23
<脳脊髄液減少症>交通事故が原因と認定 福岡地裁行橋支部
ニュース記事から。「追突事故に遭い、難治性むち打ち症の「真相」として注目されている脳脊髄(せきずい)
液減少症と診断された女性が、加害者側に約1040万円の損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁行橋支部が今年2月、事故が同症の原因と認め、
約465万円の支払いを命じていたことが分かった。交通事故と同症の因果関係を認めた司法判断が明らかになったのは初めて。
損害保険会社は同症の補償に消極的なため、全国で同様の訴訟が相次いでおり、判決は他の訴訟や損保業界に影響を与えそうだ。
判決などによると、福岡県内の女性(31)は03年2月、赤信号で停車中、女性の車に追突された。翌日から首や背中が痛むようになり、
当初は頚椎捻挫(けいついねんざ)などとされたが、約4カ月後に北九州市内の病院で、同年10月には別の病院でも、脳脊髄液減少症
(低髄液圧症候群)と診断された。
女性は末期がんだった母親の看病のために会社をやめ、家事や介護を続けていたため「後遺症で家事や看病がほとんどできなくなった」
として03年9月、治療費や慰謝料などを求め提訴した。
判決で岡口基一裁判官は(1)医師2人が事故と発症との因果関係を認めた(2)事故以前に同様の症状がなく、
事故後に他の原因で発症した証拠もない(3)頚椎捻挫と併発した同症は、停車中の追突事故による例が多数を占める――ことを挙げて
「因果関係は認められる」と結論付けた。
そのうえで、女性が求めた九つの医療機関での治療費や薬代の全額について加害者側に支払い義務があるとした。
加害者側は「事故は極めて軽微で同症になることはなく、事故以外に原因がある」などと主張したが認められず、福岡高裁に控訴している。
同症については、損保各社が「交通事故で同症になることは考えられない」として、補償に消極的だ。患者団体は、
今回と同様の訴訟が全国で50件以上起こされていると推計している。」【渡辺暖、入江直樹】(2005年9月22日毎日新聞)
「脳脊髄液減少症」とは、脳と脊髄の周囲を循環している脳脊髄液が漏れて、脳の位置が下がり、頭痛やめまいなどを起こすものです。
治療法としては、患者本人の血液を注射し、凝固で髄液漏れの個所をふさぐ「ブラッドパッチ療法」が有効とされています。
私のところに相談にいらした方も、ブラッドパッチで症状が緩和されたと言っていました。
「脳脊髄液減少症」と交通事故との因果関係の立証は難しく、保険会社は、今後も賠償に消極的なままだと予想されますが、 同種訴訟が多数起こされ、あるいは同症に対する社会的関心が高まれば、「高次脳機能障害」が後遺障害等級認定基準に盛り込まれたのと同様、 後遺障害等級認定の対象となっていくものと思われます。
投稿者 tanihara : 21:10 | トラックバック (0)
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